あらすじ
高校生活初日の朝、佐久間伊織は銀髪碧眼の少女と猫が相対している場面に遭遇する。近づく猫に対して困惑気味の少女が発する言葉は――。
「こ、こっちに来ちゃだめにゃー」
思わぬセリフに困惑する伊織に気づき、足早に去る少女。これが涼原楓との出会いであった。
楓と同じ高校、同じクラスとなった伊織だが、楓を見ているうちに、彼女がほとんど感情を表に出さないことに気づく。だが偶然楓の笑顔を目にしたことで、伊織は心動かされ――。
感情の乏しい少女を笑顔にさせる、甘くも焦れったい恋の物語が幕を開ける。電撃文庫から引用
作品
タイトル | ひだまりで彼女はたまに笑う。 |
著者 | |
イラスト | 椎名 くろ |
発売日 | 2021年6月10日 |
ISBN | 9784049138399 |
ページ数 | 264 |
・ヒロインがたまにみせる表情
・親友とクラスメイトの温かな対応
感想

こっちに来ちゃだめにゃ……

可愛かったですね

こんなところを見られたら恥ずかし死してしまいます

そんな出会いから始まる二人の甘くて焦ったい物語でした

出会いが出会いで関係は最悪。だけど気になるから話かけてしまう男子高校生

思春期ですね

この物語は凄く友人に支えられていました

伊織も楓も親友が良い感じに二人の心を抑制なりしてくれていました

覗き魔からパパラッチと悪名が増えていった伊織が不本意ながらも話しかけてくれる嬉しさと気持ちが複雑そうだったです

そんな楓との関係が少しずつ変化していましたね

やはり美鈴の存在が大きかったです

前半部分は美鈴いなかったら冷たい目で見られてそのまま3年間過ごしそうな勢いでしたよね

楓の塩対応を美鈴が軟化して、尚且つ伊織の失態をフォロワーしてくれたりと、この存在が本当に大きかった

そうやって築かれた二人の関係で楓が徐々に伊織歩み寄っていく姿は猫みたいでした

たまに突き放したり、モジモジしながらもデレたりはヤバかったですね

トラウマに向き合ったり、思い出のために一直線な楓は面倒くさい性格でした

家族や親しい間柄にしか心を許さない楓。けど本当に大事なことには巻き込みたくない、というかこう思われたくないって気持ちが大きく
その気持ちを知られたくないから周りと距離をとって、嫌われたくない、けど今の自分の行動が嫌われる理由になってる自覚もあっての葛藤でした

伊織は過去のことから楓に寄り添……いや一方的でした笑

自分の殻に篭った人の助け方、楓だからこその解決方法でした

この作品は二人の焦った関係を周りの人達と共に温かく見守る作品って感じでした

伊織が分かりやすいってのもありますが、楓を知っている人が理解して後押ししてくれていました

もれなく楓の面倒くささを伝えていたり笑

最後のほうに楓が気持ちに少し自覚していましたから次の巻が楽しみですね

二人の焦ったくもニマニマできるこの関係は凄く楽しめました!
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