あらすじ
空に無数の島が浮かぶ世界で旅をする飛空船乗りの青年・泊人と、彼の旅に付いていくことを決めた少女・アリア。
アリアの飛空船の免許取得のために訓練島に向かった二人は、同じく愛弟子の免許取得のために島を訪れていた泊人の昔の同僚と再会する。「第一話 訓練島」。
神樹の信託によって最適な生活が約束された島。そんな島に住む小説家の願いとは? 「第二話 教導の島」。
歌姫の亡霊に取り憑かれた人物を救うため、歌唱コンテストに参加することになったアリア。困ってる人を助けたい。――干渉者として心を閉ざしていた少女に芽生えた小さな願いは大舞台の中で開花の時を迎える! 「第三話 音楽の島」。
心躍るロードノベル第2弾電撃文庫から引用
感想
アリアのポンコツだけどやる時はやる子なところが大好きですね。
というか自分はそういったキャラたちが1番好きなのかもしれません。
今回もほぼ三つの島を渡っていました。
訓練の島。教導の島。そして音楽の島。
泊人の負担を減らすために訪れた訓練の島で、飛空船の免許を取りに行くアリア。
始まりの島の手がかりを得るために訪れた教導の島では樹が人々の暮らすを導いていて。
音楽の島では囚われた親友を助けるために優勝を目指すアリアの才能が開花していました。
教導の島は恐怖を感じる島でした。
全ての選択を樹に導いてもらう。どうやって生きるのか?どうすれば良いのか?そして自分の最期までも。
それに疑問を持たない人たち。疑問を持ってしまえばそこに生きることに違和感を覚えてしまって、だけど逃げ出すことの出来ない島でした。
誰かに選択を委ねるのは楽な道で、羨ましい反面、自分の選択がなく感情も生き死にも制限された世界で生きる意味があるのかとゾッとしました。
この島の真実を知ったら尚更で、自分の気持ちがあるのは大事だなと思えましたね。
そして音楽の島でのアリアのステージ。
助けたいを目標に生きるアリアの広すぎる目標。
そのせいで雁字搦めになって自分を追い込んでしまっていて。
自分の大好きな歌が重荷になる姿が悲しく、だけどここからの逆転に泊人とアリアの信頼の強さ。
というかアリアが一方的に信頼している部分がありました。
そしてそして、泊人マスターのアリアが予想された展開を凌駕する姿。
成長したアリアと必要なことが揃い断る理由がなくなった泊人の人が変わったかのような言葉。
だけど今も昔も泊人は自分の気持ちを言葉にしているだけで、だからこそ二人の信頼が強まっている姿が眩しかったです。
作品
タイトル | 浮遊世界のエアロノーツ2 |
著者 | 森 日向 |
イラスト | にもし |
発売日 | 2022年2月10日 |
ISBN | 9784049141481 |
ページ数 | 365 |
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